通勤中に電車が遅れると、誰だってイライラしますよね。
でもその「たった数分の遅れ」が、派遣社員にとっては“時給カット”という大きな損失に繋がることがあります。
同じ電車に乗っているのに、正社員は遅刻扱いされず、派遣社員だけが損をする・・
そんな理不尽な現実、経験したことはありませんか?
今回は、派遣社員が電車遅延によって直面する問題
特に「時給が引かれる問題」について、実際の派遣会社の対応や回避方法も含めて詳しくご紹介します。
電車遅延=時給カット?派遣社員が抱える3つの不便

派遣社員として働いていると、電車の遅延がただの「ちょっとしたトラブル」で済まないことが多々あります。
実際、遅延に遭遇したときに派遣社員が対応しなければならないことは以下の3つ。
1. 派遣先への連絡
まずは、今勤務している派遣先の担当者へ「遅れます」と連絡。
当たり前のことですが、朝の混雑や焦りの中での電話連絡は意外とストレスです。
2. 派遣会社への報告
次に、自分が所属している派遣会社にも連絡が必要。
この二重報告が地味に面倒くさい…「遅刻理由」や「到着予定時刻」などを正確に伝えなければなりません。
3. 時給が引かれる
そして最大の問題が「遅刻した分は無給」になること。
たとえ電車が遅れたせいでも、遅刻は遅刻。派遣社員は“働いた時間分しかお給料が出ない”というルールに縛られています。
ここでふと疑問に思うのが、「正社員はどうなの?」ということ。
同じ電車でも“待遇が違う”正社員と派遣社員の格差

派遣社員も正社員も、同じように朝の満員電車で通勤しています。
当然、電車が遅れれば、どちらも同じように影響を受けます。
でも、その後の扱いに大きな違いがあるんです。
正社員は「遅刻免除」されるケースがほとんど
企業によって対応は異なりますが、正社員の場合、電車遅延が原因での遅刻は「遅延証明書の提出」や「自己申告」で遅刻扱いされないことも。
つまり、「遅刻してもお給料はそのまま」のケースが多く存在します。
派遣社員は「ノーワーク・ノーペイ」
一方、派遣社員はというと——
どれだけ電車が遅れても、どれだけ一生懸命急いで向かっても、「働いた時間」しか時給は発生しません。
つまり、5分遅れて出社しただけで、その5分のお給料が引かれてしまうのです。
正社員には適用されないこともあるこの「ノーワーク・ノーペイの原則(働いていない時間=無給)」が、派遣社員にはきっちり適用されます。
実際の派遣会社の対応は?
以下は、いくつかの大手派遣会社が公式に発表している見解です。
■アデコ
「働いた時間に対して給与が支払われるため、遅延による遅刻は無給」
■テンプスタッフ
「電車遅延でも実際に仕事を開始した時間をタイムシートに記入。理由に関係なく実働時間外は支給対象外」
■スタッフサービス
「ノーワーク・ノーペイの原則により、電車遅延でも時給カット。派遣・正社員関係なく適用」
なんとも切ない現実…。
同じ職場で同じように働いていても、こうも違う扱いを受けるのは、理不尽としか言いようがありません。
遅刻でも時給を減らさない方法はある?対処法

では、派遣社員が電車遅延で“損しない方法”は本当にないのでしょうか?
実は、「派遣先の承認」が得られれば、遅刻しても定時出勤扱いにしてもらえるケースもあります。
ポイントは「タイムシートのサインをもらう人」
派遣社員の勤怠管理は、基本的に派遣先企業の担当者が承認します。
つまり、その担当者が「今日は遅延だったから定時出勤でいいよ」と言ってくれれば、実際より遅れていても、定時出勤として処理してもらえる可能性があるんです。
■言い方の例として
「すみません、電車が遅れてしまって…今日は定時でタイムシート記入しても大丈夫でしょうか?」
など、やんわりと聞いてみるのがおすすめ。
驚くほどあっさりOKしてくれる場合もあります。
■注意点として:他の派遣スタッフとのバランス
ただし、同じ職場に他にも派遣社員がいる場合は要注意です。
たとえば、他の派遣社員が「10分遅れた分、正直に記入している」のに、あなた一人だけ「定時記入」していたら、不公平感が出てしまいます。
そんなときは、「他の派遣の方は電車遅延の時どうしてますか?」と、さりげなく確認してから動くのが賢明です。
最終的には派遣先の判断次第
つまり、遅刻が「時給カットになるか」「定時扱いになるか」は、最終的には派遣先の担当者の判断によって変わります。
そのため、普段から良好な関係を築いておくことも、大きな意味を持ちます。
派遣社員にやさしい社会を目指してほしい!
派遣社員が電車遅延で失うものは、ほんの数分の「時間」ではなく、その背後にある「不公平感」や「報われなさ」なのかもしれません。
派遣社員は電車遅延でも「ノーワーク・ノーペイ」の原則で時給がカットされる
正社員には遅刻免除がある場合もあり、待遇に差が出る。対応次第では「定時扱い」にしてもらえるケースもある。
働き方が多様化する中で、派遣社員だからこそ不利益を被るのは、少し悲しい現実です。
制度の見直しが必要なのはもちろんですが、まずは現場レベルでの柔軟な対応と、派遣スタッフ自身のちょっとした声掛けが、その第一歩になるかもしれません。
同じような悩みを抱えている派遣社員の方が、少しでも報われる社会になりますように。

















